私が奈良を離れるのは、多分逃げじゃない。
嫌な思い出も、楽しかった思い出も、全部此処で起こったことだけれど。
それを今更捨てるのは、寂しいし、辛い。
この部屋も、父がいた部屋も、何もかも空っぽになることを想像すると、怖い。
離れたくないけれど、新しい出発には、必要かもしれない。
慣れ親しんだ景色もそのうち忘れてゆくのかもしれない。
毎年みた桜も、もうみなくなるかもしれない。
けれど、それでいいんだと思う。
きっかけがあるとしたら、きっと今だから。
私にはつくづく東京に縁がないなと思う。
今年大学に入った子も、ほかのいろんな友達も、東京にいるのにな。
いつか、自分の力で、行きたい。
福岡に行ったら、私の体はもつんだろうか。
喘息が心配。
早く離れたい気持ちと、離れたくない気持ちが揺れ動くけれど。
きっとこれは逃げることではないはずだから。
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